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鼻中隔延長術 鼻中隔延長修正・再建術

鼻中隔延長について

鼻中隔延長は鼻を構成する柱(鼻中隔軟骨)を延ばす手術です。
しかし、適応を誤れば将来的に鼻が曲がってしまう可能性があります。何でもかんでも鼻中隔延長ではなく、適応があるかどうか確認する必要があります。鼻中隔延長は、正面と側面からみて鼻柱の付け根が小鼻の付け根より頭側にある場合に有効な手術です。

鼻中隔延長

料金

鼻中隔延長修正 ¥800,000
鼻中隔延長修正 肋軟骨移植術 ¥1,000,000

※初回鼻中隔延長(鼻尖形成を含む)の料金は、クリニックに直接お問い合わせ下さい。

鼻中隔延長術の概要

鼻尖の構造イラスト

鼻中隔軟骨を使用して延長(特に皮膚が厚い場合)の例え

家の柱は鼻中隔軟骨で構成され、鼻の形態を維持している重要な組織です。鼻中隔延長では、この柱自体(鼻中隔軟骨)を中抜き(採取)して延長する方法か、柱自体(鼻中隔軟骨)は温存して別の材料(耳介軟骨、肋軟骨、人工物)を補強して延長する方法があります。なお、人工物のPCLプレート(吸収性プレート)を補強に使う医師・施設もありますが、長期経過による“曲がらない”というエビデンスが確認されているわけではなく、当院では使用していません。

適応

鼻尖のACR

1. 皮膚が厚くない、皮膚が軟らかい

※皮膚が厚く硬い場合は、持続的(長期的)に鼻中隔軟骨に大きな負荷(緊張)がかかり、曲がる(崩れる)可能性が高くなるのでお断りする場合があります。自分では判断せず必ず診察をお受け下さい。

2. 正面から見て鼻柱部分が内側に入り込んでいる(ACR:alar-columellar relationshipsが上に凸の三角形)

※ACRが上に凸の三角形が軽度、もしくは三角が形成されず直線の場合は、鼻柱を指で押してすぐに硬い組織(鼻中隔軟骨)を触れれば、耳介軟骨で延長することが望ましいです。

3. 側面からみて、鼻柱と口唇を形成する角度が90度以下

4. 鼻中隔延長後のトラブル(延ばし過ぎ、異物で延長された、鼻先が下に向きすぎたなど)の修正・再建

鼻中隔延長手術のイメージと使用する材料

鼻中隔軟骨を使用して延長(特に皮膚が厚い場合)の例え

どの素材を使用しても無理な延長をすれば突き破るというリスクの例え

当院では、皮膚が厚くなく軟らかい症例に対し鼻中隔延長を行います。皮膚が厚く硬い場合は、延長後に柱(鼻中隔軟骨や補強した鼻中隔)にかかる負荷(図A:屋根に大雪が積もった状態)は大きくなります。そのため柱(鼻中隔軟骨や補強した鼻中隔)が曲がることがあります。また屋根だけが崩れ柱が屋根を突き破ってしまう(図Bのような状態:長期的に皮膚に負荷かかり移植した自家組織が飛び出してくる)こともあります。

素材(柱)の強度の図

柱の材料(耳介軟骨、鼻中隔軟骨、肋軟骨)には強度があり、その強度は肋軟骨が一番強く、耳介軟骨が一番弱いです。しかし鼻中隔軟骨は耳介軟骨より強いですが、そもそも柱(鼻中隔軟骨)を中抜き(採取)して補強していることから、延長した柱は耳介軟骨よりも弱いと言えるでしょう。鼻中隔延長を地震と家の関係に例えますが、柱が強ければ大きな揺れでも家が崩れることはまずありません。中抜きして延長すれば大きな揺れで家は崩れます。そのため当院では鼻の基本的に耳介軟骨もしくは肋軟骨による鼻中隔延長を行います。

◆ 方法① 鼻中隔延長初回手術

手術はオープン法で行います。原則局所麻酔で行いますが、肋軟骨を採取する場合は、全身麻酔(麻酔科専門医・指導医による)で行うこともあります。
オープン法に準じて鼻柱、左右の鼻の中からアプローチし、軟骨側に脂肪をつけて剥離します(皮膚をペラペラにしすぎると、血流障害を引き起こし壊死を引き起こすので注意が必要です)。余分な脂肪の除去し、鼻翼軟骨内側脚間を剥離し鼻中隔軟骨を露出し剥離(左右の鼻中隔の粘膜を損傷しないように慎重に)します。

採取する素材

採取する自家組織は原則、耳介軟骨(両側から採取する場合もあります)もしくは肋軟骨です。術前に選択決定した自家組織を使用します。

  • ① 耳介軟骨;耳甲介もしくは耳珠の軟骨を使用します。
  • ② 肋軟骨:成人は骨化していることが多く、6~8番を採取します(6番は女性の場合乳房下縁を切開できるので一番よいでしょう)。切開線は3~5cmになります。
  • ③ 鼻中隔軟骨:もともと鼻中隔延長の適応がある場合は、軟骨が小さいことが多く、またある程度強度を維持するために採取出来る量は限られています(鼻中隔軟骨の前方は最低でも1cmは温存する)。

採取した自家組織を、鼻中隔軟骨を挟むような状態にしてオーバーラップさせ強固に固定します。なお、団子鼻がある場合は、同時に鼻翼軟骨同士を縫合し矯正します。最後に鼻柱部、鼻の中の切開創をナイロン糸で縫合します。抜糸は7日目でおこないます。

◆ 方法② 鼻中隔延長他院修正・再建手術

鼻中隔延長の他院修正では、延長されている材料により術式が異なります。できるだけ正確な情報(延長されている材料は何か、鼻中隔軟骨は温存されているか否か)を各自確認しておいて下さい。カルテなどがあればより正確に判断出来ます。

1. 鼻中隔軟骨が温存されている場合(人工物による延長)

人工物で延長されている場合は、将来の感染や曲がりを考慮し抜去を推奨しています。代わりに自家組織による延長を行います。

2. 鼻中隔軟骨が温存されている場合(自家組織による延長)

長すぎる場合は自家組織を削り延長量の調節や、延長する方向を変えることもできます。自家組織が再利用できる場合は利用します。

3. 鼻中隔軟骨が温存されていない場合

非常に難しくなります。肋軟骨による補強あるいは再建が第一選択なります。人工物で延長されている場合は、除去することで崩れる可能性があれば、除去しない場合もありますのでご了承下さい。

*鼻中隔延長は鼻中隔軟骨が温存されているか否かで、修正・再建時の難しさ、術後の経過・形態に大きく影響します。鼻中隔軟骨が使用されている場合は、全部除去してしまうと鼻が崩れてしまうため、術前の計画を綿密にたてる必要があります。

よくある質問

術前準備・術中確認・術後固定

前日に両側鼻の毛を短くカットしておいて下さい。
局所麻酔で行う場合は、患者様に直接、鼻尖部の形態・延長量を確認して頂きます。正面から見た時にACRは下に凸の三角形になっているか、横から見て鼻柱―口唇の角度は90度以上になっているかを一緒に確認しています。 鼻の手術の後に気をつけることは、血液循環がよくなること(入浴・飲酒・激しい運動など)は2~3日は避けて下さい。お化粧は翌日もしくは翌々日から可能です。
原則テーピング固定(直後)とレティナ固定(抜糸後)を行いますが、ギプス固定は行いません。理由は可圧迫になりすぎて鼻の形態が変化する場合や、皮膚壊死を起こす可能性があるからです。

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レティナ レティナを鼻に装着 シリコン素材
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before after曽鼻尖縮小直後 レティナモデルを選択し挿入 カラやヘッシブを貼り付け
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レティナ レティナ レティナ
  • 1. レティナモデル;それぞれの鼻孔の形態によって大きさが異なる
  • 2. 術直後に最適なモデルを選択する。鼻中隔を安定させるも使用する
  • 3. 素材はシリコンで挿入時に軟膏あるいはワセリンを塗布し挿入する
  • 4. BEFORE
  • 5. AFTER:手術直後
  • 6. 術直後に最適なレティナモデルを選択
  • 7. 創傷被覆材(カラヤヘッシブ)の貼り付け
  • 8. テープ固定① 鼻尖縮小を行っているので、中央に引き寄せるように横固定
  • 9. テープ固定② 右から中央の鼻稜を超えて引き寄せるように縦固定
  • 10. テープ固定③ 左から中央の鼻稜を超えて引き寄せるように縦固定

*術直後にレティナを合わせることで、抜糸後数日して装着が可能になります。装着はワセリンや軟膏をレティナにつけてスムーズに挿入できます。

鼻尖部のテープ固定は、原則1週間行います。

*医師がテープ固定の延長が必要と判断した場合は、24時間あるいは夜間のみ固定を行うことがあります。

よくある質問

将来曲がるリスクは?
鼻中隔軟骨を温存されてるか、無理な延長をしていないか、そして皮膚の厚さ・硬さによって左右されます。
延長材料として人工物や保存軟骨は駄目ですか?
日本や韓国では、PCLプレート、オステオポールなどの人工物や屍体からの保存軟骨使用している医師や施設がありますが、長期的なEBM( Evidence- based Medicine:根拠に基づく医学)で認められていないこと、また鼻を構成する基礎の部分に人工物や保存軟骨を使用することの安全性の問題から当院では取り扱っておりません。

ドクターメモ

鼻中隔延長で失うものはありますか?

一番は鼻本来の柔らかさです。特に肋軟骨を移植した場合は、鼻中隔は太くなりブタ鼻ができません。見た目は気にならなくなっても、この柔らかさが失われことは気になるかもしれません。肋軟骨よりは耳介軟骨の方が柔らかいために、少しでも動きを出すならば、耳介軟骨を使用し延長量を軽度にしておくほうがよいでしょう。

肋軟骨採取の注意点

肋軟骨は肋軟骨膜で覆われています。肋軟骨は軟骨膜を温存し採取します。軟骨膜を温存すれば軟骨は再生されます。また採取時の重篤な合併症である気胸は、乱暴な操作により肋軟骨膜が破れ、肺の間に空気が入り込むことで肺が膨らまないことで起こります。気胸時には、ドレーン(入り込んだ貯空気を外に出す)を留置して約2週間換気する必要があります。院長は小耳症手術で普段から肋軟骨を採取しており、この様な気胸の確率は、4年で約1000本採取するうち1例起こるか起こらないかの確率です。

リスク・副作用・合併症

内出血、腫脹、感染、鼻閉、鼻中隔穿孔、鼻先が硬く豚鼻ができなくなる、 アップノーズ・ダウンノーズ・高すぎるなど鼻尖の形態異常、鼻孔の変形・左右差、鼻中隔弯曲、軟骨の吸収、軟骨の位置異常(ずれ)、傷の哆開(しかい;傷が開く)、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ可能性がある)、瘢痕拘縮(引きつれ)、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、テープかぶれ、修正術の場合は修正前より悪化する可能性がある、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。

*耳介軟骨採取部は耳介後面に傷跡が残る、感覚鈍磨、疼痛、外耳道の変形など

*鼻中隔軟骨採取部は鼻中隔の強度が落ち、将来曲がる可能性がある、鼻閉など

*肋軟骨採取部は胸に傷跡が残る・目立つ、胸郭の変形、気胸、心タンポナーデなど

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