Z形成術とは
Z形成術とは、形成外科医が行う手技の一つです。特に引きつれた傷には効果的です。
◆ 瘢痕拘縮形成術:Z形成術
傷によってひきつれが生じる(A点とB点の距離が縮まる)ことを瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)と呼びます。拘縮を解除するためには、A点とB点の距離を延長する必要があります。その時使用するテクニックがZ形成術です。Z形成術の効果には以下の効果があります。
- ①2点間の延長
- ②直線を分断する効果
- ③位置の変換
- ④山を谷に、谷を山にする効果(四面体効果)
Z形成術の効果①や②は拘縮解除や予防として瘢痕拘縮形成術で、③位置の変換は小鼻縮小や下眼瞼外反などの修正で、また④四面体効果は目頭切開や陥没乳頭などの治療で役立ちます。
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下顎の稜線(赤い点線)に直交する傷があり、拘縮のために凹んでいます。このような場合は①2点間距離の延長、②直線の分断による拘縮解除と予防、③位置の変換による下顎稜線の復活、④四面体効果による凹みの改善とZ形成術の全ての効果を期待して行います。
瘢痕拘縮形成術:連続Z形成術

連続Z形成術は、長い傷で引きつれがあるものに行います。手・足・ワキなど関節にまたがる熱傷後瘢痕拘縮、帝王切開や開腹手術後の傷跡に実施し、より高い延長効果が期待できます。