引きつれた傷跡
「昔ケガをして、ずっと放置していたら傷跡が引きつれてしまった…」「過去に他院で手術をしてから年月が経ち、日常動作で少しずつ傷跡が引き延ばされてしまった」という患者様がいらっしゃいます。引きつれた傷跡に対しては「Z形成術」や「W形成術」という手術法を駆使し、修正を行います。
◆ 症例写真
case1切創;深い切り傷(右頬の瘢痕拘縮)の修正 ;瘢痕拘縮形成術(W形成術)
右頬部に線状の傷跡を認めます。これはナイフによる切創です。口を動かした時(特に「う」の状態にした時)に、拘縮(引きつれ)ができます。また顔面のシワと直交するため、傷跡が目立ちます。このような場合はW形成術を行います。アコーディオン効果による拘縮(引きつれ)の予防、シワと直交する傷を分断し、縫合創の一部をエステティックユニット(皮膚のシワ)に一致させることで、目立たなくします。
・「W形成術とは」>>>こちら
~この症例の経過~
before:W形成術のアコーディオン効果(様々な表情をしたときに伸び縮みする)
◆リスク・副作用・合併症
【縫合による傷跡修正】
内出血、腫脹、感染、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ)、瘢痕拘縮(引きつれ)、ケロイド形成、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷の両端が盛り上がる)、 修正前より目立つ、テープかぶれ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
※before & afterの画像は、参考画像であり効果や満足度は症例により異なりますのでご了承ください。
case2小鼻(鼻翼)縮小後の傷跡(左鼻翼基部瘢痕拘縮)の修正
他院で小鼻(鼻翼)縮小を受けて傷跡が目立ち、同じ病院で修正術を行いました。特に「う」の口の状態にすると、傷が引きつれています。修正が必要になった原因と、当院で修正手術を行う上で注意した点を以下にまとめました。
【修正が必要になった原因】
初回の手術で小鼻(鼻翼)の溝にそって切開している。
>>> 修正手術で注意した点
原則は、溝を切開するのはなく、溝から数ミリの小鼻(鼻翼)側の皮膚を切開する。
【修正が必要になった原因】
2回目の修正手術で引きつれを十分に解除していない。
>>> 修正手術で注意した点
拘縮(引きつれ)の解除が不十分だと同様の傷になるので、Z形成術など行い、十分拘縮を解除する。
【修正が必要になった原因】
術後、テープ固定を行っていない。そのため傷の幅が広がる、肥厚する、凹む、引きつれなどが起こる。
>>> 修正手術で注意した点
口や鼻周囲の手術(特に小鼻縮小)では、両ほうれい線をまたぐようにテープ固定を行う。傷は可塑性があるため、3~6カ月間、常にテープ固定しておくことが望ましい。
~この症例の経過~
術後は両ほうれい線をまたぐように、3カ月間常にテープ固定を行いました。引きつれはなくなり、小鼻(鼻翼)の形態も整いました。また口を「う」の状態にしても引きつれていません。
◆リスク・副作用・合併症
【縫合による傷跡修正】
内出血、腫脹、感染、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ)、瘢痕拘縮(引きつれ)、ケロイド形成、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷の両端が盛り上がる)、 修正前より目立つ、テープかぶれ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
※before & afterの画像は、参考画像であり効果や満足度は症例により異なりますのでご了承ください。
case3交通事故による50年前の傷跡(左目尻外傷性瘢痕拘縮;組織欠損)の修正 ;眼瞼の再建
Before
Before
交通外傷による左眼瞼周囲の傷跡です。眼瞼周囲の組織が欠損したため植皮をしたようですが、引きつれにより目尻側が外反しています。また色調の違いも認められます。
もともと事故による組織欠損があるため、無理な修正はできませんが「色調の異なる皮膚は除去して欲しい」という希望がありました。移植された色調の違う皮膚を除去しました。更なる外反を避けるために、残存する眼輪筋弁を作成、外側の靱帯に固定しました。上眼瞼に引きつれを認めたため、Z形成術を行っています。
・『Z形成術とは』>>>こちら
~この症例の経過~
下眼瞼外反は少し残るものの、色調の異なる皮膚は全て除去でき、改善しています。
◆リスク・副作用・合併症
【縫合による傷跡修正】
内出血、腫脹、感染、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ)、瘢痕拘縮(引きつれ)、ケロイド形成、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、 縫合糸膿瘍、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷の両端が盛り上がる)、修正前より目立つ、テープかぶれ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
※before & afterの画像は、参考画像であり効果や満足度は症例により異なりますのでご了承ください。
case4口唇部瘢痕拘縮:傷跡修正+真皮脂肪移植による人中の形成
Before
After(1年後)
Before
After(1年後)
Before
After(1年後)
Before
After(1年後)
鼻の下の傷跡修正と同時に人中稜と人中禍の形成を行った症例です。鼻の下の傷跡が目立ちます。術後1年の経過です。瘢痕は目立たなくなりました。
◆リスク・副作用・合併症
【縫合による傷跡修正】
内出血、腫脹、感染、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ)、瘢痕拘縮(引きつれ)、ケロイド形成、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷の両端が盛り上がる)、 修正前より目立つ、テープかぶれ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
※before & afterの画像は、参考画像であり効果や満足度は症例により異なりますのでご了承ください。